フル回転
もぉー暑くてイヤーっ!といいつつも、夏空の青さはとても好き。ひと仕事終わったあとの一杯、夕方の涼しい風、冷えたスイカ、暑い中でもちょこちょこ自分へのご褒美みつけつつ、なんとかやってます、四号です。皆様、きちんと水分補給できていますか?
暑くて過酷な現場はフル回転。「床貼り」が玄関からはじまっていました。
まずは、床板一枚の長さ、横並びにしたときの印象、色が偏ったりしないか、バランスをあれこれ検討中。床板は数に限りはあるので、半端ばかりつくることもできないし。作業の時間も限りがあるので、それなりのスピードも必要。と、とにかく真剣勝負の雰囲気。話しかけにくい……。
そして、カット。長さの調整です。これは、素人でも想像できる作業でしたが、貼ったときに横幅ぴったりにおさまっていく瞬間は他人事ながらも気持ちがいいものです。
床板の中には、写真のように釘が刺さっていたり、板そのものが反ってしまっているものもあります。反った板は、部分的に板を薄く削って、少し曲がりやすくしてから、反りを直して使われていました。色味や雰囲気もそれぞれの床板をいかにそれっぽく自然に貼っていくか、職人さんの腕次第。
貼ったあとは、表面をならして、おさまりよく……と、私が見ていて気がついた行程だけでも、作業はとても細かいです。素人では拾いきれていない、行程ももっとあるようで、使い分けられる機械も色々。
「そりゃ新しい床板を貼っていく方が何倍もラクだよー」と笑いながらボヤく大工さん、それでもこだわってこだって仕事をしてくれる。信頼のおける大工さんがいるからこそ、既存の床板を使おうというプランが選択できるんですよね。「自分たちが気がつかないような、最後の最後のところをおさめてくれるのが、大工さん」とトーマさんが言っていたのですが、たしかに大工さんは逃げ場がないわけで、隅々まできっちり、ごまかしがききません。
そんな大工さんの仕事を見ていると、マンションだけど、やっぱり「おうち」な感じが増していきます。
↑ 貼り終わった部分を撮らせてもらいました。
わたしが現場でいた1時間で2〜3行分くらいでしょうか(途中途中でわたしが話しかけてしまい、作業の手をとめさせてしまった時間もあり、申し訳ない)。大工さんは、いつもサクサクと作業をしていて、あっという間に棚をつけたり、窓を作ったりしている印象でしたが、今回の床張りは緻密で、芸術的な作業に見えました。
ちなみに側面も同じ床板です。一枚貼るんじゃなく、二分割にするのがキレイに「おさまる」という大工さんの判断。
貼ったあとだけをみると、何も感じなかったかもしれないのですが、「床貼り」とひと言でいっても、実際に貼るという作業にいくまでは判断の連続で、それは経験あってこそできる判断だと実感。大工さんの脳内がフル回転して集中している様子は横で見ていても飽きない、ワクワク感がありました。
と、玄関先の床貼り作業だけでも、十分お腹いっぱいになった私ですが、二階では、別の作業が進行中。この日は全部で5人の職人さんが入られていました。
メインの寝室では、塗装屋さんが先日ハツられた天井部分を塗っていました。奥に見えるのが階段の吹き抜けで、木枠にはガラスが入ります。以前は押し入れのあったところ、ここからも光が入ることで、下の階の雰囲気もまた変わりそうです。
もう一人の大工さんは、子ども部屋になりそうなお部屋に、クローゼット制作中。
そのクロゼットの角っちょ。D.I.Y. したいと思ってもすぐ、挫折してしまう私からしたら、同じ人間の手で作られていると思えない、美しいおさまり。職人さんの手仕事。
「手仕事」って書くと、なんだかほんわかするけど、ボンドだって素手で!のばしていました。これはキッチンにつく棚板に、板の側面をかくす板を貼っているところです(左側の板が貼り終わったもの)。他のシリーズのROOSTだったら側面をあえて見せたりしますが、棚板の側面を見せるか見せないか、そんな細かいところひとつひとつが全体の雰囲気を左右していくのかと思うと興味深いです。
材料の搬入後、共有スペースを掃除するトーマさん。色んな業者さんが出入りしたり、音が出たりと、どうしてもご近所にご迷惑をかけてしまうこともあるけれど、できることはやるという、トーマさんの気遣いは、ほかの住民の方にもきっと伝わっているんじゃないかな。これからここに住む人は、「感じのいい工務店さんだったわよー」とか話しかけられる気がするなー。
現場には建具が届いたり、お風呂の防水工事が入ったり、今日もぐんぐん進んでいるようですので、また来週いけたらと思っています!