床が戸になりました。
こんにちは。台風きましたね。
雨のあと、雑草を含め緑の皆さんのうれしそうな感じもなかなかいいですよね、こんにちは四号です。
さてさて今回は「戸」、洗面への入り口につく引き戸のことを書きます。
本題に入る前にまず……戸をつくるのは大工さんではなく「建具屋さん」です。みなさん、ご存知でしたー? 木を扱って、なにかを作るのは全部大工さんとばかり思っていましたが、違いました。むすぶ人として現場にいくようになってから、知ったことです。 えっ?建具だけ作る人?と思っていました(失礼すぎですね!スミマセン!!)が、そばで見ていると、なるほど奥深い。これは専門の方でないとできない仕事であると合点がいきます。
つくる人のオーダー通りに仕上げられた引き戸。オーダーといいつつも、板のセレクトなどは職人さんに委ねる塩梅がまた◎ 私レベルですとこれで完成!の気分でしたが、本番はここから。現場に合わせての加工、一日がかりの仕事です。
引き戸をとりつける、壁に金具をつけるのも建具屋さん。重い引き戸を持ち上げては何度も何度もつけてはずして、はずしてつけて、のくりかえし。
壁につけた金具にひっかかる加工をします。引き戸を上から見る図。綺麗です。
その加工に使われたであろう道具たち。お手いれが行き届いていてキレキレっ!
引き戸の下側は、レールを走るように凹んだラインをいれるようです。カタカナ表記の「マキタ」がついていて年代を感じます。使いやすいように自分でカスタマイズされている道具。
ちなみにレールを取り付けるのは建具屋さん。そのレールをはめ込む凹んだ溝を作るのは大工さんだそうです。大工さんの溝がいい感じの時とそうでない時もあるみたいですが、今回は「いいね!」な溝だったようで何よりでした。
チラリと仕上がりを確認してホレボレしているアリトモさん。ゆくい堂にきて現場で職人さんと会えるのがいいですねーと話してくれたのですが、私も激しく同意です。職人さんの仕事ってそばで見ていて、なんであんなに気持ちがよいのでしょう。
っと、ここでタイトルの話にもどります。
じつは今回の引き戸に採用された板、この部屋の解体時にきれいに剥がして、とっておいたものなのです!
和室の畳を外したあとの面に貼ってあった板。今では、和室をつくるとき、畳の下にはボードを貼るそうですが、このマンションが作られた頃は本当の木を使っていたというわけですね。無垢の木だからこそ、こうしてまた加工して他のカタチにすることができるわけで、ボードだったらこうはならない。解体され処理されるだけ。しかもフツーの業者さんが解体していたら、見向きもされずに、そのままポイっされてしまう運命だったかと思うと、ゆくい堂に解体されてよかったねー!と言ってあげたくなります。
つくる人たちの思いも手間もたっぷりのこの引き戸は、もしまた何十年後にここを解体することになっても、誰かに受け継がれていくだろうなぁーという出来ばえ。しかも、これから塗装するらしいです!どんな雰囲気になるのか想像できないですが、ともかく楽しみです。
この日は、結ぶ人冥利につきる職人さんラッシュ。建具屋さんのほかにも出入りの多い日でした。
防災屋さん(専門の方がいらっしゃるんです!)は、この日は報知器を三か所設置。きちんと作動するかチェック!する様子を写真とともに記録する、川口さん。住む人のための安心感をつくる人。
そしてガラス屋さん。ベランダへ出る扉のサッシガラスに割れ目が入っていたので、今回取り替えることになり、採寸にきてくれました。一目みて「これは○○ガラスの□□だねー」と品番のようなものを口にする往年の経験値、さすがです。
引き戸一枚にも書くこといっぱいで、少し長なってきてしまったので、今日はこの辺で失礼します! またすぐ会いましょう!