ストーリーという価値。
結ぶ人1号です。
『暮らしといっしょ』さんの追跡取材vol2がUPされました。まだご覧になってない方はまずコチラを!
今回はタイル屋さんがめっちゃカッコイイです!!
それぞれを専門に手掛ける職人さんが想いを込めて仕事をし、人から人へ技のリレーで家をつくる。そしてそれは現場で手を動かす職人さんだけの話ではないのです。この物件の象徴となる古材は、GALLUP(ギャラップ)という問屋さんから仕入れています。ゆくい堂のボス曰く、『毎回ここからは仕入れられない。だって高いんだもん(笑)ただ今回はGALLUPとやりたかった。と言うかコイツとやりたかった。』とGALLAPの担当者を紹介してくれました。そしてその方も、『ウチより安く古材を扱っているところもあります。ただウチはストーリーを持っています。』とすごく誇らしげにおっしゃっていました。ストーリーと言うのは例えば今回の床材は元バーボン工場のものだとか、下の写真の玄関スペース用の古材はなんと元牧場の柵だったとかそういうことです。ただ商品として流れ作業のように木材を扱うのではなく、想いを込めて大切に扱っていることが、彼の話を伺っているとすぐに伝わって来ます。また、廃棄寸前の仮死状態にあるものをアイディアを加え価値を高めて蘇らせる。ゆくい堂がGARRETシリーズで提案する自然の循環を意識した暮らしの提案みたいなこととも通ずるものがあるんだと思います。
因に、この材料はこんなふうになりました。カッコイイです。プロが見れば一目瞭然でしょうが職人さんの手間半端無いです。新品の整った材料を貼るのではなく凸凹のいびつな材料を平に貼る、表面的に見たって大変なのは十分わかります。それに加えてこの床の下地は、何の指示もないのに通常以上に間隔を狭く組んでいて丈夫に作られています。数年後?数十年後?古い木だから当然新品の物よりはダメになりやすい、それを少しでも軽減させようとする大工さんの想いがなせる技なのです。
ちょっと脱線しますが、最近陶芸家のイイホシユミコさんの『きょうもどこかの食卓で』を読みました。イイホシさんの器は手触りが気持ち良く、気になってはいたものの、自分で購入するまででは無かったのですが、本を読んで彼女の器作りに対する想いや信念みたいなものに触れ、彼女の器が欲しくなりました。今は素敵なモノが溢れている時代だから、見た目や機能だけでは選びきれないことも多いと思います。そこでストーリーやつくり手の想い、つくられる工程などが価値になってくるのだと思います。私は、想いが込められてるものは『なんかいいな!』と人に感じさせる空気を帯びると思っています。その直感で決める人もいるけど、『なんかいいな!』とは思うけど、その理由も理解して決めたいって人もいるんだと思います。そんな方にこのブログで少しでも伝わるものがあればいいなと思っています。
まだ読んでいない方、これは必見です。ゆくい堂ボスのひとりごと。『僕らの住みたい家』
紛れもなくこれが『なんかいいな!』の源だと思います。